染一会いろいろ「お客様写真集」

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カテゴリ:伝統工芸の「技」( 6 )

WAZA2011

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 2/24(木)~3/1(火)まで

 東武百貨店池袋店10階にて、

 『伝統的工芸品展 WAZA2011』
 が開催されます。 



 毎年とっても見応えのある展示会で、日本全国の伝統的工芸品が一同に集まります。

 「伊勢型紙」も出展していますので、たまにお問い合わせのある、額装の型紙や、自分で型彫りをなさりたい方の型紙工具などもご用意があるそうです。

 お時間がありましたら、ぜひぶらりとお訪ね下さいませ^^

 東武百貨店のHPはこちら→http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/event/10f/event_temp_6.html
by someichie | 2011-02-23 18:08 | 伝統工芸の「技」 | Trackback | Comments(0)

伝統的工芸品

当店の染めあがりの江戸小紋にはこのマークの証紙が貼られています。d0138852_18224077.gif
この証紙は、伝統的工芸品を安心して購入できるよう、経済産業大臣が指定した技術・技法、原材料で製作され、産地検査に合格した製品に貼られる証紙で「伝統証紙」 といいます。

『伝統』とは・・・
100年以上ということを意味するのだそうです。
100年以上前から使われている材料と技術でつくり使われ続けられているということです。

『伝統的工芸品』と呼ばれるためには、
100年以上前から継承されてきた材料と技術によって、人の手でつくられた日常的、文化的なもので、そのため、ある地域に古くから産地が形成されているもの
を指しています。

           *詳しくは、「日本の伝統的工芸館」のサイトをご参照ください
           *「伝統的工芸品とは」の説明はこちらをクリック

 「伊勢型紙」を手付けで染める当店の「江戸小紋」は、型紙も染める技も、100年どころではない長~い歴史の中で少しずつ改良を重ね、今もなお「手技」にこだわって染められています。
なので立派な『伝統的工芸品』です。

           *江戸小紋の染めの工程はこちらでご紹介しています。

そして、江戸小紋を染める型紙「伊勢型紙」も、もちろんこの伝統的工芸品に指定されています。
「伊勢型紙」はお客様には直接目にふれることがありません。
ですので「伝統的工芸用具」と呼ばれています。

しかし・・・近ごろ、
型染めの着物が型紙でないもので染められることが増えています。
ですので、どんどん「型紙」の需要が減って、原材料や技術の継続が危ぶまれてしまう危険が迫ってきています。

型紙は彫る前の紙(型地紙といいます)づくりから長い月日をかけてつくられ、熟練した職人さんの手で丹念にひと彫りずつ時間をかけてつくられています。

でも、そんな長い修行や手間をかけずとも、スキャニングやコンピューターグラフィックなどの技術をもってすれば、人間の手や細やかな神経を使わずに、いとも簡単に染めることができるようになりました。

ですので、世の中には、そういうシルクスクリーンや輪転機で染められた江戸小紋も多数あります。
どちらかというと、そちらの方が圧倒的に多くなっています。


型紙で染められていなくても、江戸小紋は江戸小紋です。
ですので、ご予算、用途、その時の出会いなどをご考慮頂き、それぞれTPOにあわせて楽しんでお召し頂ければよろしいかと思います…。

でも当店は、「伊勢型紙」と持ちつ持たれつに手技を高めてきた「江戸小紋」をこよなく愛するお店であります。

人間の手や細やかな感性による技術というのは、数百年を超えて人から人へ継承されてきた賜(たまもの)であります。
でもひとたび誰も伝える人がいなくなって途絶えてしまうと二度と再生が不可能であるという、なんとも切ない危うさを秘めています。

どんどん需要がなくなってしまえば、あっという間に継承する人はなくなり、手作りの技はいつの間にか人知れず消えゆきます。

反して人々の感性は、より一層合理的なことに反応し称賛するようになっていくのでしょう。

なんだか寂しい世の中になりつつあると、近頃とても恐ろしく思います。
なんて思うのは私だけかもしれませんが・・・。




あら!?随分弱気な今日の店長・・・emoticon-0114-dull.gif
気を取り直して・・・と!

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さて、今月末から来月にかけて、全国の伝統的工芸品が一同に集まる
 『伝統的工芸品展 WAZA2009』 が開催されます。

普段はお目にかかることの少ない「伊勢型紙」も出展いたします。
会場では、ひとときの間、日本の伝統や職人さんの繊細な温かさや心意気に触れることができるかもしれません。
お時間がありましたら、ぜひ!

■日時 2009年2月26日(木)~ 3月3日(火) 10:00~20:00(最終日17時まで)
■会場 東武百貨店池袋店 10F催事場

詳細はこちらをクリック



先日『春一番』が吹いたと思ったら、また今晩から寒くなるようですね。
春風にのって2~3日前から花粉も舞い踊っているようです。
昨年春に花粉症デビューをいたしてしまい、まだ対処の仕方がわからずあたふたしております。
お店ではアロマの空気清浄機が稼働しておりますが、効き目があるのかどうか?

どうぞ皆さま、花粉やら、お風邪やら、くれぐれもご自愛くださいますよう。
by someichie | 2009-02-16 18:48 | 伝統工芸の「技」 | Trackback | Comments(2)

江戸小紋の訪問着

 江戸小紋で『訪問着』はいかがでしょうか?
 シックで粋な訪問着は、江戸小紋ならでは!!
 今日は職人さんの過去の作品の一部をご紹介
 どれか気になる作品はありませんか?
 


・こちらは、ただいまお店で展示中「毛万筋引杢染め」の江戸小紋訪問着。
 引杢(ひきもく)染めは、毛万筋の型を付けてから木目の柄をつける部分を指で器用に引っ張って縞をずらしてから再度、桜色や水色の色糊で型付けをするという、職人さんの指先の感で美しい木目柄が染めあがっています。
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・次の3点は、無地に見える地の部分には極鮫が染められています。
 「葉っぱと雀」「紅葉」「白梅」は手書きで色挿しがされています。
 繊細な裾模様が美しい上品な訪問着です。
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・次の「熨斗目」柄と「竹」柄は、無地に見える地の部分は行儀が染められています。
 柄は型でつけてあります。
 粋かわいい訪問着です。
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・次は少し大胆な柄ですが、「流線」は手書きです。
 この写真の訪問着は夏物で地が無地ですが、無地ではなく鮫や行儀で染めると雰囲気のある素敵な訪問着になります。
 また訪問着などの絵羽模様だけでなく、着尺にも染めることができます。
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・こちらは地の部分は鮫文様が染められて、「木立」の部分は地色です。
 一色の濃淡で美しい絵柄に仕上がっています。
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・この訪問着かわいいでしょ。
 パッチワークのようですが、型染めです。
 展示会出品作品でした。
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・そして、振袖もできます
 地は通し文様で、裾、肩、袖に満開の菊の花びらが大胆にあしらってある美しくて華やかな振袖です。江戸小紋ではこんな上品な振袖が染めあがりますが如何でしょうか?
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・お茶をなさるお客様には、こんな裾模様をさりげなく上品にあしらったお着物は如何でしょう。極鮫地に可憐な花が美しい。。。
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 石塚さんの作品はまだまだ、ものすごくたくさんあるのですが、残念ながら・・・実はこの現物があるものは殆どありません。
 あちらこちらの江戸小紋を愛するお客様のご要望に応じてお染めしたものだからです。

 こうした作品を参考にして頂き、お客様それぞれのご希望やイメージを新たな形にしてまいりますので、どうぞ何なりと

 また、ご紹介したものはすべて訪問着ですが、小紋や附下げなどの着尺にも応用ができますので、イメージを膨らませて、ぜひご相談くださいませ。


 いずれも20万円台からオーダーおうけ致しております。
 ご予算や用途など色々あれこれ、何でもご相談くださいませ。

by someichie | 2009-01-19 14:32 | 伝統工芸の「技」 | Trackback | Comments(0)

伊勢型紙手付けの究極の技~万筋(まんすじ)~

 伊勢型紙の技術の中でも希少となってしまった、「縞彫り」の型紙で染める「万筋」という江戸小紋のお話を少々。。。

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 「万筋」の型紙は短時間で一気に、定規をあてて均等の縞柄を彫りあげます。
 単純な作業のようですが、一本の縞を彫るのに同じ箇所を3度続けて小刀でなぞるので、極めて正確な技術が必要とされます。
 しかし、縞を彫っただけでは、何本ものストライプの線がヒラヒラと浮き上がった状態のままです。このままでは染め師さんがヘラをあてることができず型付けができません。

 この型紙のすごいところは、ヒラヒラを抑えるために「糸入れ」という技術が施されているところです。
 「糸入れ」とは、あらかじめ型地紙を2枚にはがし重ねて彫ってから、その間に絹糸を張ってずれないように柿渋で張り合わせるという作業です。
 伊勢型紙の産地には、昭和30年に6名の重要無形文化財保持者(人間国宝)が指定されましたが、その中には「糸入れ」の城ノ口みえさん(2003年死去)も入っていました。
 「糸入れ」は彫りの技術と同様に、貴重な技術なのです。
 現在では、この糸入れの技術が最も稀少なものとなっています。

 こちらが「万筋」の型紙です
 横に絹糸が貼ってあるのがわかるでしょうか?
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 さて、この型紙で染め上げる「万筋」は何とも言えない味わい深い江戸小紋として、多くの江戸小紋ファンに愛されてきました。
 まず、単純なストライプだからこそ、線の太さが微妙に異なります。それがコンピュータのストライプとは異なる“しなやかさ”を生み出します。
 縞柄は「粋」な柄として江戸時代には大変もてはやされました。
 ストンと縦に落ちる縞は、小雨がや柳に通ずるようなしなやかさがあり、その粋な風情がたまらなく好まれたのです。

 そして、染め上げたときに、先ほどの「糸入れ」の後がほんわかと残ります。
 「糸入れ」をした細い絹糸が張ってあるところには、しっかりと生地まで防染糊がおりません。
 そのため地染めをした時に絹糸が張ってあったところも一緒に地色に染まってしまう部分が出てきます。
 なので、よ~く見ると、横に細~く、ところどころ、ヒュンヒュンと横線が見えます。
 写真でお伝えするのがなかなか難しいのですが、わかるでしょうか?
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 「万筋」の味わい深さは、手業であればこそ生まれる“しなやかさ”と“粋”の風情です。

 現在店内にある染めあがりの反物では、万筋二つ割りの染めあがり江戸小紋と毛万筋の染めあがり江戸小紋があります。

 こちらは、万筋二つ割り江戸小紋
 二つ割りとは3㎝幅に23本の縞が染めてあるものです。こちらは、グレーとも紺とも紫とも違う大変ニュアンスのある粋なお色で染めあがっています。
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 そして、こちらは毛万筋江戸小紋
 毛万筋とは3㎝幅に19本の縞が染めてあるものです。万筋というとグレー系などのお色が好まれますが、こんなきれいなお色では如何でしょうか?
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 少しお値段もさすが!な反物ですが、見るだけ、あわせるだけも大歓迎です。

 希少な技術の粋を結集した「万筋江戸小紋」

 江戸小紋好きなら、いつかは、ぜひ一枚!
 そう思わずにはいられない「“万筋”がつくりだす粋の世界」です。   
 ぜひ一度、じっくり、ゆっくり、ご覧頂きたいと思います。

 ホームページではこちらでご紹介。   
   万筋二つ割り江戸小紋「粋さらさら
   縞文様の江戸小紋
by someichie | 2008-05-13 20:11 | 伝統工芸の「技」 | Trackback | Comments(0)

伊勢型紙、「ほどよい間の美学」

 江戸小紋を染める伊勢型紙のお話です。

 伊勢型紙の技法は千年とも数百年とも言われる以前からあったようですが、型紙の技法が豊熟期を迎えるのは、型紙で着物を染める技術が確立する江戸中期頃からです。

 型紙は、江戸時代の紀州徳川藩(三重県)の独占的産業として紀州藩の財政基盤となり、当時から現在にいたるまで、その99%を三重県鈴鹿市白子地区で生産しています。

 生産といっても全くの手業です。
 美濃和紙を柿渋で貼り合わせて燻製と天日干しを繰り返し、型紙を彫るための紙が完成するのに1~2年かかります。
 それからやっと、その型地紙に文様を彫刻します。
 しかし、その彫刻が人間業とは思えないすばらしさです。
 
 これは江戸小紋の代表的な文様のひとつ「鮫」です。極といわれる細かい鮫文様は、型紙のふるさと紀州徳川藩の定め柄でした。
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  このひとつひとつの穴は、先が半円形の形をした彫刻刀でクルッとまわして彫っていきます。
 同じ大きさ、同じ間隔で彫られているようでも手業ですから微妙な「間」があるのがわかります。この写真は随分と拡大しているので「間」があるのがわかりますが、型紙一枚を眺めると整然と寸分違わぬ彫り具合にしか見えませんが。。

 このような「間」は意図してつくられたものではないので、だから「間」です。
 コンピューターでつくられたデザインには決して生じることはないでしょう。

 「が良い」「が悪い」と言いますが、「がない」は現代病でしょうか?それは頂けません。「程よいの良さ」が理想的です。
 この程よい「のある」型紙で反物に色が染められると、手業の温もりをまとうという、ふんわりと癒されるような優しい風合いと、何とも言い難いゆとりのある美しさが生まれるのです。

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 こちらはホームページでもご紹介している「利休がたり」(極鮫江戸小紋)です。
 鮫小紋もお色によって雰囲気が色々楽しめますが、なめらかなこの文様は、少し渋みのあるお色で着こなして頂けますと、しなやかでとても品があり、そして粋でもあり、これぞ江戸小紋、おだやかで豊かな気持ちにさせてくれるのです。

 雪が降るとお店がとても暇なので、「鮫小紋に包まれて居眠りしていたら、何か良い夢を見たような気がしました。。。」 という雪の日のひとり言。emoticon-0162-coffee.gif
 
 というわけで、東京は今日も朝から雪でした。寒い、寒い。お気をつけて。。
by someichie | 2008-02-06 18:22 | 伝統工芸の「技」 | Trackback | Comments(2)

内閣総理大臣賞受賞作品 

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 こちらのお着物は、とてもシンプルで粋な江戸小紋の訪問着です。
 まず濃いグレーの地色にはっきりとした縦縞が清々しく染め抜かれており、裾(すそ)に向かうにつれて、淡いグレーの「横縞」が交差し、さらに「竹」節の細かい縦縞文様が組み合わさっています。
 「縦」と「横」の計算されつくされたような組み合わせの配分は、すばらしく見事で、江戸小紋らしい「繊細なスマートさ」が味わえます。
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 そして沈黙を切り裂くように、渋い薄緑の「松」と淡い黄土色の「梅」の細い帯状の小紋柄が、潔く大胆に染められています。粋な色香を感じさせます。
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 このお着物に、「松」「竹」「梅」の文様が染められていることは、パッと見た目に認識できません。雅な松竹梅のイメージとは全くことなる、江戸小紋だからこそ成せる渋いデザインだからです。
 「松」「竹」「梅」は、寒い冬の厳しさを耐えて、緑をたたえ、天にのびゆき、笑顔で花を咲かせるという、強さと美しさを誇る尊敬すべき代表格です。
 でもこのお着物に染め抜かれている「松竹梅」は、強さや美しさよりも、それらを支える細やかな心遣いや優しさ、辛抱強い意気地を感じさせます。

 この作品の名前は「深山(しんざん)」といいます。
 お庭の鉢に枝ぶり良く手入れされた松竹梅ではなく、強さを主張するのでもなく、どこかの深い山の中で自然を守る草木として、人知れずひょうひょうと咲き、季節を知らせる松竹梅も良いものです。

 しなやかなたくましさを感じさせる「粋」な大人の女性に、きっとお似合いになる逸品です。
 心に沁みる物語を聞かせてくれそうなお着物です。
 
 今月いっぱい(1月30日水曜日まで)当店で展示販売いたしております。
 この機会にぜひ一目、『深山』に会いにいらっしゃいませんか?


1月30日以降にご覧になられたい場合はあらかじめお問い合わせください。

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江戸小紋訪問着「深山」
480,000円(税込504,000円)
です。
「深山」は、第24回全国伝統的工芸品コンクールにおいて、内閣総理大臣賞(グランプリ一席)受賞作品です。

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by someichie | 2008-01-08 14:18 | 伝統工芸の「技」 | Trackback | Comments(0)